田村巻
現在、田村巻は製造を中止しております。製造再開のおりは改めてご案内させて頂きます。

百貨店の主催する様々な催しに、積極的に参加した時期があります。
たいてい百貨店の最上階にある催し物広場で行われる企画ものである。
一週間単位で催される物で、
「江戸・東京・老舗伝統の味」
「全国駅弁祭り」
「北海道名産展」
などなど、新聞の折込みチラシに見覚えある方も多いのではないだろうか。
もちろん弊社の参加した企画は、
「江戸・東京名産展」などに準ずる東京物の企画である。
年に数回全国に出向いて行った。
西武百貨店筑波店に年1回お世話になる時期が5年程続いた。
こうした催しは、初日とその週の土日が賑わう。
ひるがえって休み明けの月曜日は、それはもうひまである事が多い。
ひまな日でも店頭に立っていない訳にいかない。
百貨店では、このひまな一日をいかに乗り切るかが重要なコツとなる。
仕事は忙しい方が楽なのである。筑波店ではアシスタントとして、田村さんにさんざんお世話になった。
地元のオバチャンなのだが働き者である。気心の知れた田村さんとは、このひまな月曜日を利用して、様々な新製品開発を行ったのである。
持ち込んでいた煎餅焼機を利用して、思いつく味をかたっぱしから試してみる。
原材料は、すぐ隣の香辛料売り場や、食材コーナーにいくらでもあるから、想いの外効率的であったのである。(本当は遊んでいたのだが)
こうして生まれたのが田村巻きである。
彼女の功績に敬意を表して名付け親になってもらった。いや、正確には私が名付け親なのだが、承認をもらったのである。
さてこの田村巻、地元名産の手造りもろみ醤油に、最高級のりを貼り付けた、さらに色どりを添える為に金箔を少量ふっている。
田村さんによく似たゴージャスな仕上がりなのである。