米処(こめどころ)
「葛飾は煎餅屋の多い所ですね」
お客様がよくかけて下さる言葉である。
たしかにその様に私も感じている。今では弊社一軒になってしまったが私の子供のころは、ここ青戸町だけでも煎餅工場が4軒あった。
直売の自家製店舗は今でも2軒ある。販売のみの小売店ならばかなりあるだろう。たしかに青戸だけを考えてみても 煎餅屋はかなり多い。ここに柴又、亀有を加えたらかなりの数である。
“葛飾は煎餅屋が多いですね”
お客様の言葉もなるほどうなずける。
さらに 「なぜ多いのですか」と聞かれる事がある。
私は次のように答えている。
「葛飾は今でこそ下町ですが戦前は農業のさかんな米処でした、しかし埼玉県の草加もそうなのですが米の品質が土壌の関係からか他の地域と比べて劣っていたようです。
玄米として市場に出せばどうしても高く売れなかった訳です。そこで少しでも付加価値を高める為に米の加工業がさかんになったのではないでしょうか。
私の工場の目と鼻の先にはつい数年前まで造り味噌屋までありましたし、団子屋もけっこう多いのですよ。」