イカスミ煎餅
大学卒業後5年程就職していた時期があります。
理工系の卒業でしたので、機械部品の卸売り業務を選びました。
研究室の先輩にあたる方の経営する会社をお手伝いしていたのです。
東芝をメインのお客様にするこの会社は、当時VTRの黎明期(れいめいき)でもあったので、仕事の内容も面白く、挑戦的でたいへん忙しい毎日でした。
バブル直前の世相は、人手不足も手伝って、私の様な者でも少しはお役に立てたのではないかと自負しています。
そんな楽しくて仕方がない私を見て、父は少しばかりあせりを感じたのでしょうか、代々に渡る家業の後継ぎを人手に渡してなるものかと、帰還命令の発動です。
もう少し、もう少しと先伸ばしにしていましたが、5年目に家へ返る決心をしました。
私は煎餅屋を天職と考えていましたから、いずれは戻るつもりでしたが、その前にもう一回だけ他人の釜のメシを食おうと考えました。
一転してケーキ、パン職人です。半年だけのアルバイトでしたが、ここでの経験は、今の煎餅造りに生きています。
イカスミ煎餅は、その良い例であります。
このイカスミは、パン食材の問屋ルートから仕入れるスペイン産の最高級品で、ちょっとやそっとでは入手できません。
この辺のルートを開拓出来た事が、今日の淡平の商品バリエーションの多さにつながった要素となっています。
弊社は ”せんべい・あられ” において、まちがいなく、日本一のバリエーションを誇っております。
ぜひ一度店舗に足をおはこび下さい。