| 決済代行、支払い多様に 日経産業新聞 2002年7月18日 |
2001年度の宅配便各社の取扱個数は前の年度と同様にヤマト運輸、佐川急便、日本通運の順位に変動はなかった。だが、前の年度に約2億4000万個あったヤマトと佐川の差は1億3000個に縮まり、日本通運は創業初のマイナス成長になった。取扱個数の明暗を分けたのはIT(情報技術)を駆使した決済代行サービスだった。上位2社に大きく水を開けられた形となった日通。同社は今年6月に入り、先行するヤマト、佐川を追いかける形で決済代行サービスを開始した。新サービスは「e−決済サービス」の名称で、子会社の日通商事(東京・千代田)と共同でシステム開発した。これまで宅配便の決済代行サービスといえば、現金やクレジットカードが主流だった。今回の新サービスでは新たに銀行振り込み、郵便振替、コンビニエンスストア支払いなど様々な支払い方法を可能にした。利用者は専用サイトにアクセスして支払い方法を選べるようになった。新サービスは荷主側にとっても分散していた代金受取先を一本化できるメリットがある。日通は商品の現在位置や支払い状況を電子メールで企業、商品購入者の双方に伝えるほか、請求書作成や振替用紙の郵送も引き受ける。利用者は独自の決済システムを持たない中小企業や通販会社などを想定している。ヤマトも8月に日通と同様に、ネット上でカード決済できるサービスを開始。これまで支払い方法を1回に限定していたが、5月に入り分割、リボルビング(信用回転)支払いを加えた。通販などでより高額商品を購入するケースが増えていることに対応した。ヤマト、日通はネットを使い決済サービスを提供するが、佐川はドライバーが専用端末機を携帯しクレジットカードやデビットカードの与信を照会する。同社は10月に端末2000台を追加した。ドライバーの約半数に端末が行き渡ることになる。首位ヤマトを追撃する体制が整った。決済代行サービスを利用を希望とする荷主は、事前に宅配企業との契約が必要となる。宅配企業にとっては荷主の囲い込みにつながる。決済システムの機能をどう充実させていくかが今後の取扱個数の増減のカギとなる。 |