| 「知能」駆使し自動化 日経産業新聞 2002年7月18日 |
ロボット・工作機械価格競争のとめどもない大波が襲い続けている国内製造業。中国の台頭で、一段と競争は激しくなっている。早く、安く、高品質に――。愚直なまでにモノ作りを極めるしかない。手助けする道具はある。賢さを増すロボットと工作機械だ。大型のマシニングセンター(MC)2台のライン。アーム(腕)型ロボットが自動倉庫から治具を取り出し、加工物に取り付けた上で腕を回転させてMCにセットする。準備が整うとMCが動きだし、ロボットのギアボックスなどの部品加工に入る。山梨県忍野村のファナック。主力製品である産業用ロボットや射出成型機などの部材加工をこなす機械加工工場でロボットを駆使し自動化ラインが6月から本格稼動に入った。従来、治具の取り付けは熟練工が受け持っていた。長時間の無人運転をしようとすると、治具をセットした加工物をあらかじめたくさん用意する必要があった。手間のかかる複雑な取り付け作業をこなすロボットはすでにある。ファナックが得意とする知能ロボットだ。これを導入して、治具の取り付けから完全自動化を実現。部材の生産コストを約40%削減するメドをたてた。三重県桑名市。工作機械大手、ヤマザキマザックの生産子会社、ヤマザキマザック精工では生産ラインの情報技術(IT)化が進んでいる。受注や資材調達、生産計画に関する情報を一元管理するソフトを導入。従来、材料の手配から部品加工、組み立てまで5カ月かかっていたのを各作業を同時並行で進めて1.5カ月に短縮するのが目標だ。カギを握るのは部品加工を受け持つ工作機械の稼動情報。ネット化して各設備の状況をつぶさに監視することで、稼動率向上を狙う。「ここはあたかも神経細胞を持ったサイボーグ工場だ」。山崎智久社長はこう言って胸を張った。ヤマザキマザックでは主力生産拠点の大口製作所のほか、美濃加茂製作所(岐阜県濃加茂市)、英国、米国、シンガポールの各工場でIT化を進めている。生産工程の無駄を省き、需要変動に即応する――。21世紀型のモノ作りにIT化はもはや欠かせない。 |