| 画像を診断、質も向上 日経産業新聞 2002年7月18日 |
医療現場で患者の名前や病歴からレントゲン写真などの医用画像といった多くの情報をデジタル化して利用する動きが広まっている。各社はデジタル対応の医療機器を続々と発売。遠隔診断といった新しい医療をはじめ医療の質の向上や検査の効率化などにもつながり始めている。富士写真フィルムは、デジタルエックス線画像記憶装置を拡充する。アナログ機種の利用が一般的で、施設数も多い診療所など小規模な医療機関を対象に小型の新製品を発売、拡販を狙う。来春には胸部エックス線画像をコンピューターで検証し、乳がんを早期に発見できる診断装置を発売する。付加価値の高い製品をそろえ医療機器事業を強化する。同社をはじめコダックやコニカなど医療用のフィルムを手掛ける各社にとってデジタル化への対応の成否は事業の浮沈にかかわる。デジタル対応の装置で撮影すれば、モニターなど画面上に画像を写して診断できる。コンピューター断層撮影装置(CT)など膨大な量の画像を撮影する装置では、画面上で診断するのが普通であり、保管もしやすい。デジタル化によってフィルムレスが確実に進むからだ。画像診断装置の分野では東芝や日立メディコといった国内勢も、米GEや独シーメンスなど海外メーカーもデジタル式の装置とそれを中心にした院内の情報システム製品を発売している。心電計をはじめとする生体情報モニターなど小型医療機器を手掛ける日本光電や日本GEマルケットメディカルシステム(東京都八王子市)も同じ戦略で拡販を目指す。医療機器会社などで構成する日本画像医療システム工業会(東京・文京)が4月に神戸市で開催した「2002国際医用画像総合展」では、デジタル対応の医療機器とその医療情報を管理するシステムへの注目度は高かった。電子カルテ同様に医療機関の情報技術(IT)化の主な対象領域でもあるからだ。成長市場を狙って今後各社の競争は激しさを増すのは間違いない。医療機関が機器を導入することでより質の高い医療サービスを提供できるかが勝敗を分ける1つのポイントになりそうだ。 |