| 精度高めて無駄を省く 日経産業新聞 2002年7月18日 |
CAD(コンピューターによる設計)ソフトの機能拡充が進んでいる。大手各社がソフト開発で提携。強みのある機能を連携させ、設計精度と現場の生産効率を向上させている。パソコン画面上で複雑につながり合う電子回路の設計図。CADソフトのオペレーターが自動車の電動ステアリングなどの制御に使うち密な電子回路の設計作業を続ける。コネクタを装備したワイヤハーネス回路の設計を終えると、今後は自動車内部で最も効率よくは配線するための経路や電子機器の配置を立体的な三次元画面で検証する。プリント基板設計向けソフトで国内最大手の図研と、自動車ボディー設計などで使うCADソフト世界最大手の仏ダッソー・システムズ(DS)が共同開発した自動車電装用CADソフトの一画面だ。両社が手を組んだ結果、電子機器の配置やワイヤハーネスの配線をパソコン上で容易にシュミレーション(模擬実験)できるようになった。自動車全体の電子回路設計を効率化でき、設計期間を約4割削減できるという。製造業の空洞化が叫ばれる中、自動車や家電メーカーは世界市場で競争力を維持するために生産の低コスト化と製品開発期間の短縮を急いでいる。そうした要求に応えるのがCADソフトだ。例えばワイヤハーネスを自動車へ組み込む作業の場合、従来は実際の部品を使い手作業で検証する必要があった。設計のやり直しも多く、開発期間を長引かせる原因となっていた。部材の浪費にもつながった。もの作りの源泉となる金型設計向けCADソフトも設計精度を高めている。国内大手二社の日本ユニシスと日立造船情報システム(東京・大田)は自動車設計向けCADソフトに独自の金型設計ノウハウを連携させるソフトの開発をそれぞれ進めている。三次元データの扱いに慣れていない設計者でも高精度の設計ができるようになる。設計の不具合により作業を繰り返すような無駄を徹底的に省き、製造現場の縁の下で支える。 |