「純日本製」システムも 日経産業新聞 2002年7月18日

 暗号はインターネット上で金融サービスを展開する上で必須の技術だ。従来は海外のセキュリティーソフトが多く使われていたが、ここへ来て国産の暗号技術も台頭してきた。海外に比べ携帯電話経由のインターネット利用が多い日本では、今後金融サービスで携帯電話の利用頻度が高まると見られている。パソコンに比べ記憶容量や処理能力が格段に低い携帯電話に適した暗号技術が求められている。暗号ソフト開発のシーフォーテクノロジー(東京・品川)は、独自の暗号技術を使い、携帯電話のメールを暗号化するソフトを開発した。これまで携帯のメールを暗号化する技術はなかった。シーフォーが開発したソフトを使えば銀行の口座番号を記載したメールでも安心してネット上でやりとりできる。公開鍵基盤(PKI)の分野では、ソフトも含め「純日本勢」の電子会計監査システムが注目を浴びている。今年4月の商法改正で企業は会計監査をインターネット上で電子的に受けられるようになった。NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は同社の独自電子認証システム「ブレード」を利用、決算・財務データをネットで監査法事に提出する仕組みを開発した。すべて国産技術で組み上げた電子認証システムは珍しい。全国の銀行など約2000の金融機関が決済に使う全国銀行データ通信システム(全銀ネット)は、来年11月から稼動する5番目のシステムを現在構築中だ。効果な専用線に頼らずNTTのフレームリレー網など公衆回線を使用するため、以前のシステムでは要らなかった暗号化技術が必要になった。運営を担当する東京銀行協会は「ハッカー対策もあり、専用線で構築したとしても暗号化は導入する予定だった」と語る。暗号化は万全を期すためには不可欠の技術になりつつある。