柳 宋悦

民芸運動の父であり沖縄の美の発見者の一人である柳宋悦は沖縄の文化について次のように述べている。



「一島嶼にして一千年の独自の文化を持つものが何処にあろうか。却ってあらゆる文化面を小さな空間の中に具備していることこそ驚嘆すべきであろう。沖縄は狭いが故にあらゆる文化が、ここに圧縮せられ、煮詰められ、結晶されたのだと言ってよい。ここの文化の濃度は容易に他では見ることができぬ」(「琉球の富」より)
その沖縄は、伝統工芸の分野においても又独自の世界を持っている。
久米島紬 琉球紬 大島紬(現在は鹿児島県であるが本来は琉球文化圏に属している明治4年の廃藩置県は琉球文化を二分する)芭蕉布等の織物や紅型 陶器 漆器が各地で生産されているが、一つの地域でこれだけ多くの種類の伝統工芸品が生産されているのは全国でも数少ない。
これらは、14、15世紀に日本本土はもちろん中国や朝鮮、遠く東南アジアの国々と交易した際に各地のそれぞれの文化を消化吸収したことに端を発し、さらに沖縄の風土に適合するように先人たちの創意工夫により生まれたもので、沖縄にとってのかけがえの無い遺産 財産といえる。
各地の伝統工芸産業が手作りから機械生産に移行する中で、沖縄の伝統工芸品の生産は手作りのままで続けられている。
そこには材料と人間との対話があり、作る者と使う者との間に心の交流が脈々と生きているといえよう。
沖縄を訪れた岡本太郎も沖縄文化について次の様な感想を述べている。
「伝統文化に優劣の差は無い そこにあるのは民族の永い歴史と誇りである」


湧田焼き1〜5の引用資料 

     沖縄アルマテック 1〜5
     やちむん 1〜13
     別冊太陽 柳宗悦
     沖縄の陶器
     琉球陶器
     愉快な骨董 尾久 彰三
     沖縄の文化
     李朝を楽しむ 平凡社
     陶九朗の焼き物 平凡社
     明代民窯 湖北美木出版
     古唐津 出光美術館
     うるま