ツナガル 

前々回紹介した19cのカラカラはヤクオフで落札した物ですが出品者から思わぬメールが届きPC上のヒューマンネットワークも良いものだなと感じました。
Wさんの了解を得て皆さまに御紹介します。

またWさんはブログもやられていてここで弊社を紹介いただいています併せてご紹介します。

「Wさんのメール」
株式会社 淡平  鈴木社長
こんばんは。
以前、沖縄についてインターネットサーフィンをしていた時に沖縄情報のブログを見つけ、いつも更新されるのを楽しみにしています。ディープな沖縄情報と骨董について書かれており勉強になりますし、沖縄に行く際に参考にさせてもらっています。

あまりにも驚くことがありましたので思わずメールさせてもらいました。
私、先日ヤフーオークションでお取引させてもらいましたWです。
私事ですが、去年の7月より金継ぎを勉強しています。
月謝代と交通費の足しにしようと骨董を修理し、ヤフオクで販売しております。
協力してくださる骨董店の御主人がいないとできない商売ですが、主に伊万里と沖縄骨董を修理して出品していきたいと思っています。

カラカラを購入したのは陶宝堂の金子さんからです。
骨董を趣味にするにはあまりにも若く、知識のない私に破損した骨董を良心的な価格で売ってくれるお店はなく、相手をしてくださったのは金子さんのみでした。
譲っていただいたカラカラの口の作りがわからず、図書館やネットを使い探しましたが結局はブログに載せているのと同じ本に載っていたカラカラにいきつき、それを参考に作りました。

実は沖縄骨董に興味を持ったのは鈴木社長のブログのおかげで、骨董屋さんをまわるのもブログの地図を参考に何件かまわりました。
いつかコレクションに入れてもらえるぐらい良い物を、その物を惹きたてるような修理ができるようになれば、目にとめてもらえる日が来れば、とぼんやり考えてはいましたが、私と関わる接点がないのでそんなことあるはずないと思っていました。
しかし、偶然にもまさかこんなにも早くお取引できる日が来るとは思ってもみませんでした。(お名前だけではピンと来ませんでした。すみません。取引履歴をみて沖縄骨董の好きな人で良かった。と安心はしていました。)
今回は譲ってくださった金子さんも、修理した私も、カラカラ自身もこのように大切にしてくれる方の元へ収まることができて幸せだと感じていると思います。
このたびは本当にお取引してくださりありがとうございました。
これからも努力は続けようと思います。またご縁がありますように。

「私の返信」
Wさま
この度は嬉しいメールありがとうございます。
友人が出来たときの様な幸せを感じます。
新規事業上手くいきますように心よりお祈り申し上げます。

言うまでもありませんが沖縄古美術はそのクオリティーの割に世間の評価が低いように感じます。
戦後のアメリカ支配のせいばかりでなく沖縄の人の「はずかしがりや」なところが今一つ中央で評価されない理由ではないでしょうか。
金子さんのように本土の人が頑張っている沖縄骨董会は良い例かもしれません。
ちなみに観宝堂のオーナーも内地の方ですものね。

Wさんの様な方が今後御活躍なさればそうした事も少しづつ解消されるようで楽しみになります。
どうか今後とも頑張ってください。
何か良い物が有りましたら直接メールを頂きたくお願いします。
沖縄骨董はこれからです、お互い頑張りましょう。
Wさんはプロとしてパイオニアになりますようにお祈り申し上げます。
鈴木敬

「Wさんのメール」
こんにちは。
お返事ありがとうございました。
気持ち悪いほどストレートなメールを送ってしまい引かれたのでは?と怖くなり数日メールチェックをしていませんでした。嬉しくなるお返事がいただけてほっとしました。

今回のカラカラを出品した時なのですが、観覧数とウォッチリストに入れられた数は一緒に出品した古伊万里の何十倍もありました。
絶対数が少ないせいでしょうか?夏で沖縄特集の雑誌が多かったせいでしょうか?注目度が高かったように感じると同時に、今後が楽しみな市場であると感じチカラを入れてみようと思いました。
沖縄古美術も金継ぎもまだまだ評価の低い分野かもしれませんが、どちらの評価も上へ上へ上がるよう、少しでも評価を上げるお手伝いができるよう努力していきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
W

「Wさんのブログ」
http://arataki.blog.fc2.com/

まさかこんなにも早く、ヤフオク経由でお嫁に行った我が子に会える日が来るなんて驚きました。ブログを始める前に売ったものですし、すでに買い手のついた物なので記事にする予定はなかったのですが、書かずにはいられません。

沖縄のカラカラを出品していました。
これだけは100円スタートにせず、欲しい金額の最低ラインから出品していました。経費を考えればもっと高くなれば嬉しかったのですが、最低ラインで終わりました。
売れた時は初めて月謝代の足しにできる小金が稼げたのでうれしかったのですが、何カ月も修理していると我が子のようで淋しかったです。

大切にされなさいよ、いってらっしゃい

売り物であれ知人たちの普段使いの器であれ、一度私の元で修理することになったコ(陶磁器)は私の手の中で何時間、何十時間も過ごすことになるので愛着が湧きます。
修理が終わり離れていく時は上記のように声をかけずにはいられません。もう会うことは無いに等しいので。

しかし、今回は別れて半月経たずネット上で再会してしまいました。見つけた瞬間「うちのコが載ってる!!」と叫んでしまいました。
ごめんなさい、もううちのコではないのですが・・・
しかも載っていたサイトが以前より楽しく閲覧していたディープな沖縄と沖縄骨董を紹介しているブログで、ご主人は東京のお煎餅屋さん。
沖縄骨董への愛はブログからあふれていたので、いつかこの人に可愛がられるようなコが私の元から出てくればいいな、そのコはきっと幸せだ。と思うと同時にそんなことあるはずない、わかっていました。
でも、沖縄骨董修理第一号で奇跡的にご縁がありました。

大切にしてくれる人の元に収まり幸せです。
そして一見さんだった私に良い物を譲ってくれた骨董屋の御主人、ありがとうございます。
もっともっと技を磨かねば。
 神田淡平
                    2012−8-21

Wさんありがとうございました。