島嶼

島嶼(とうしょ)とは大小さまざまな島のこと。中国語では「島」とは別に小島を意味する「嶼」という言葉があり、これらをつなげて様々な大きさの島を意味する言葉ができた。
狭い地域に集中する2つ以上の島嶼の集まりを「島嶼群」、島嶼群の集まり、もしくは大規模な島嶼群を「諸島」という。諸島のうち列状に並ぶものは「列島」、塊状の形状をなすものは「群島」と呼ばれる。
沖縄県の地勢のような、大小多くの島々からなる地理的環境のこと。

芥川賞作家 大城立裕氏は言う
「海に囲まれた孤島という自然条件が、沖縄文化の性格を創るのに大きく作用していると思われるが、そこには一見矛盾した二つの性格がある。その一つは 開けた海 ということで、無限の海、方向を限らない海に囲まれていることで、インタ−ナショナルな性格を生み出した。もうひとつは 閉ざされた島 ということで、他国 他島から絶縁されている厳しい自然条件の中で、血縁 地縁関係の同属同士で生きていかなければならなかった」
大城氏の言う二律背反 開けた海と閉ざされた島これこそが独自の文化を生み出した沖縄社会の特徴を端的に表現している。
無限の広がりを持つ海を通して琉球国はあらゆる文化を取り入れてきた、他国の高度な文化は憧れを生み海洋航法を更に発展させ大航海時代を築く。
海のはるかかなたに理想郷を求めその名をニライ・カナイとして沖縄地域信仰が生まれ心はいつも外を向いている、15世紀にして驚くほどの国際感覚を持つにいたるのである。
一方で閉ざされた島琉球、周囲の大海は時として外部との交流を途絶さる。
地理的距離感と定期便のようにやって来る台風 時化は開かれた海とまったく逆の作用をして琉球を内弁慶なる宿命に導く。
それゆえに、いったんこの島に入り込んだ諸々の文化は、長期間島の中に滞留して琉球の風土に同化し昇華される。
外来のものでありながら元とはまったく違う琉球独自の文化に育っていくのである。
琉球の文化その特徴を一言で述べるなら以上の様な見識に尽きるだろう。

                        参考資料 ウイキペディア 島嶼
                               「金融経済」 琉球銀行調査部