焼酎甲類 白鷺

昭和30年代頃までAサインデイズの沖縄で最も多く飲まれていた酒が焼酎甲類の白鷺である、基地の街コザで製造されていた。
沖縄では戦後米軍が持ち込んだウィスキーがコーラ割でよく飲まれていた、その後白鷺をコーラ割にして米兵が愛飲し大ブレーク、一時期酒と言えば白鷺のことであった。
(ところで白鷺のコーラ割をコーラ泡盛と銘打って提供する店が多かったが白鷺は泡盛ではない)
Aサイン認定された白鷺製造元社長はその喜びを酒のラベルに刻んでいる、以下がその全文。

軍販売許可
銘酒「白鷺」
創立以来常に「お客様の利益が我等の利益」をモットーに
品質優秀で廉価な商品を生産してまいりましたが、この度
米国極東科学研究所においてもその品質の優良なことが高
く評価され「軍施設内販売」が許可されるに致りました。
地味な努力が20年経った今日認められたのでございます。
これも皆様のおかげ様でございます。慎んで御礼申し上げます。
この酒の一滴一滴にしみわたる「ウマサ」と「コク」この酒
特有の柔らかさに包まれておりますので、ソーダでわっても
コークでわっても、あるいはジュースでわってのんでもうま
さが生々としてまいります。又果物を漬けてリキュールを作
ったら尚更においしくいただけます。軍販売も許可された国
際的商品「銘酒白鷺」をほこりをもっておすすめ致します。
合資会社 諸見里酒造工場
社長 諸見里 勇


いささかオーバーな表現だが沖縄の戦後史を語る上で欠かすことのできない米軍相手の盛り場文化の一翼をこの白鷺が担っていたのである。

昭和30年代 基地の街を彩ったバートンウィスキーの数々




戦後の経済成長に伴い飲まれることが少なくなっていった白鷺は約25年ほど前に市場から姿を消した、しかし昨年の12月白鷺は復活したのである製造元はバートン、社名こそ変わったが昔白鷺を作っていた諸見里酒造の人たちである。
原材料のサトウキビ糖蜜、タピオカの2種類がいかにも終戦直後の沖縄らしくて良い感触だ。
味も悪くない、コークで割りたくなるのは今も昔も同じで沖縄伝統の味復活である。



                                      2009−1−16

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
Aサイン(A Sign)

復帰前の沖縄において米軍公認の店舗に与えられた許可証のことである。
米軍による衛生基準に合格した業者に与えられた。Aサインの「A」は「Approved(許可済)」の頭文字で、公認の店舗は許可証か「A」の表示を店頭に掲げて営業した。
一時、権限を琉球政府に移譲したが、再度米軍に移譲された。衛生基準はかなり厳格で、多額の設備投資が迫られた。
復帰直前の1972年4月15日に廃止された。

タピオカ (tapioca)
トウダイグサ科のキャッサバの根茎から製造したデンプンのこと。糊化しやすく、抱水力が強い。菓子の材料や料理の"とろみ付け"に用いられる他、"つなぎ"としても用いられる。

タピオカパール
タピオカプディング糊化させたタピオカを球状に加工し、乾燥させたもの、特に大粒のものは「タピオカパール」と呼ばれ、煮戻してデザートや飲料、コンソメスープの浮身などに用いられる。黒、白、カラフルなタイプとさまざまな色がある。本来はサゴヤシのでん粉で作られていたが、安価なタピオカに切り換えられているものが多い。
このタピオカパールをミルクティーに入れたタピオカティー(珍珠?茶)は、発祥の地である台湾はもとより、現在では日本や他の東南アジア、欧米諸国などでも広く親しまれている。
中華点心では小粒のものを煮てココナッツミルクに入れて甘いデザートとして食べる。他に、ぜんざいのように豆類を甘く煮た汁と合わせたり、果汁と合わせたりもする。台湾や中国とつながりが深い沖縄では、「西穀米」の福建語読みが語源と思われる「シークービー」または「セーカクビー」という呼び方で、伝統的に沖縄料理のデザートとして利用してきた。
また、水分を少なめにして煮ると、粒同士が付きやすくなるので、型に入れて冷やし、粒々感のあるゼリーの様なデザートを作ることもできる。欧米では、カスタード風味のタピオカプディングがよく知られている。また、その性質を利用して、冷凍うどんに練りこんで品質維持に利用している。
最近では、チューブのりとしても利用されている。