琉球陶器の来た道

沖縄県立博物館と那覇市立壷屋焼物博物館が初めて共同開催する企画展「琉球陶器の来た道」が2011年1月22日から3月6日まで開催される。
こうした企画も研究発表も初めての事で琉球陶芸の歴史を語る上で忘れられない催しになるだろう。
(県内全ての博物館、資料館が展示品の提供に協力した)
琉球陶器の起源に関しては諸説入り乱れており今までは人により立場により様々だった、今回公式見解が示されたと同時に琉球古陶磁器に関する考古学的検証は始まったばかりである事が分かる、まだまだこれから面白い発見が沢山あるだろう。(表一参照)
私にとって最大の関心事は琉球における最初の施釉陶器はいつどこで作られたのかと言う事である。
今回発掘資料が提示されており1682年の壷屋窯開窯以前の湧田窯(県庁付近に在った窯)で作られていた事が確認できた。
ここからは私の意見だが1616年薩摩藩より琉球に派遣された朝鮮人陶工が湧田焼施釉陶器製作に大きく関わったのではないだろうか。
この考えは確たる証拠もなく推測の域を出ないが灰釉鉄絵の湧田焼が朝鮮人陶工が関わった九州の唐津焼やその母体となった朝鮮の会寧に似ている事を考えると施釉陶器元年は1616年としたくなる、いずれ考古学的な裏付け資料が見つかると面白い。

















表一: 那覇市立壷屋焼物博物館学芸委員 倉成多朗著 近世琉球窯業史研究構築に向けての論点整理より転載
                            2011−2−2