沖縄土産 3 琉球漆器

過去のブログで琉球漆器について述べていますが珠玉の土産で再登場。
日進月歩の沖縄土産ですが琉球の時代から変わらずの最高峰が琉球漆器の御土産、嘗ては中国の皇帝にも喜ばれた定番中の定番、我々がもらっても一番うれしいのは琉球漆器ではないでしょうか。
時代に媚びる事無く変わらぬ丁寧さを今も残していて、言い方を変えれば工夫が足りないのですが妙な芸術路線で行くよりも伝統工芸の良さが伝わります。
(しかも他の産地に比べ安いのが魅力、軒並み御買い得品です)
写真は義理の母が上京するたびにコツコツとプレゼントしてくれた物です、母は昨年他界してしまいましたので今では大切な形見になっております、形見としても通じる魅力と気品が琉球漆器の真骨頂、他の土産ではこうはいきません。
プレゼントされるきっかけは私の「南国の花ハイビスカスが好きです」の一言、この時母は一瞬複雑な表情を浮かべたのを思い出します、それと言うのも後で判った事ですが沖縄では当たり前すぎる花ですし特に墓地の周りに植える花だったのです。
文化と言うのは奇妙なのもですね「南の島イコールハイビスカスを髪に飾る美少女」みたいな図式はこちらの勝手な妄想で沖縄では葬式がらみの花だったなど想定外も想定外、ハイビスカスと共にほほ笑む南沙織やアグネスラムのグラビアに心ときめいた思春期の思い出はなんだったのだと言いたくなります。
そんな訳で本来琉球漆器にハイビスカス紋は無いのですが時代の要請から最近(戦後)作られる様になったとの事です。
また写真のプレゼントの中には喫煙具セットなどもあり禁煙を薦める時代背景からも今後二度と作られる事のない物でしょう。
伝統工芸といえども時代と無縁でないという御話しでした。










                    2011−5−5

以下は2010−3−30のブログ
沖縄県は漆芸の盛んなところ、意外な事に沖縄の高温多湿は漆器製作に都合が良く漆器は琉球王朝の昔から重要な輸出品でした。
台湾の故宮博物館には琉球王から明の皇帝に贈られた螺鈿の漆器が大切に展示されています。
琉球王朝に設けられた漆器製作工房、貝磨り奉行所はエリート官庁だったようで外貨獲得の要だったのでしょう。
そして首里城は大きな琉球漆器と言える建築物で沖縄旅行の際はこうした視点から見学すれば違った歴史が見えてきます。

首里城 正殿











沖縄の人々は先祖を大切にします、車窓に飛び込む大きなお墓を目にした事があるかと思いますがこれで一目瞭然ですね。
そこで命の次に大切な物が仏壇となります、本家の仏壇を守ることは長男に課せられた最大の使命なのです、そしてこの仏壇に欠かせないのが琉球漆器の数々、必然的に専門店街なるものも出現しています。
国際道りの漆器店は普段使いのお土産品、ここ開南本道りの仏具街には本物の沖縄があります。







開南本道り

 農連市場横                     
 2010−3−30