沖縄県立芸術大学

沖縄のア−トシ−ンに新しい風が吹いている。
昭和61年開校した県立芸術大学の存在である。
絵画 彫刻 音楽 工芸と総合芸術カリキュラムを用意しているが今回は沖縄の伝統工芸 特に焼物に関して大学の姿勢と卒業生の活躍を紹介したい。

学長挨拶 朝岡 康二(大学HPより)

日本最南の地から豊かな伝統的視野を持つ人材を育てる  沖縄県立芸術大学は、美術工芸学部、音楽学部、附属研究所、大学院(修士課程、博士課程)をもつ総合芸術大学であります。本学は、設立の趣旨からも明らかなように、普遍的な芸術の理解を基礎にして、沖縄の芸術文化を積極的に継承・発展させるとともに、アジア・太平洋諸地域に開かれた国際的な芸術活動とその研究拠点であることを目指してきました。現在もさらなる充実を図るべく、発展に努めているところであります。 今日、芸術はますます多様なものとなり、同時に、充実した市民生活に欠かせないものになってきました。もはや芸術は王侯貴族の独占物ではなく、広く人々に開かれたものとして、その機能・役割は多方面に及んでいます。 かつての近代芸術は、発信する側(芸術家・音楽家)と受信する側(鑑賞者・観客)とがはっきりと区分されていました。しかし、今日ではその垣根はいたって低くなり、人々は与えられた芸術を受けいれるだけではなく、制作・演奏する側にも参加するようになりました。その点から今日の芸術は、これまでとは異なる新しいありかたを示すようになりつつあるといえます。 しかしながら、このことをもう少し考えてみますと、実はこのような現象は、芸術が本来の姿に戻りつつあることを示す、と理解することができます。 伝承的な芸術、たとえば沖縄で育まれた工芸や芸能などは、もともと発信と受信を一体にして発展してきたものであり、それは人々の積極的な参加によって成り立ち、また継承されてきたといえるものです。このような伝承的な芸術の特質に着目するならば、今日こそここから学ぶべきものが多いことに気づくのです。 本学は普遍的な芸術教育に加えて、沖縄の地域的特色を活かした工芸や古典芸能などの伝承的な芸術を専攻・コースとして取り込み、それを継承・発展させる教育に取り組んできました。本学のこの個性的な取り組みは、すでに卒業生の活躍をとおして、着実な成果をあげつつあります。 また、本学は、社会との連携にも積極的に取り組んできました。多彩な展覧会、演奏会、講演会の開催はその活動の一部でありますが、教員はもちろん学生もそれに参加して、市民とともに新しい芸術表現を追究し、また、享受してきました。 このような本学の特色は、芸術の社会的な役割や責任がさらに要求される新しい時代に合わせて、今後さらに大きな意義をもつものになるものと思います。 ここに芸術を志す若者が参加して、沖縄から発する新たな芸術活動の一翼を担ってくれることを期待します。



美術工芸学部

 本学部は、沖縄県立芸術大学建学の理念および設置の基本構想に基づき、伝統工芸をはじめ沖縄の豊かな芸術文化の伝統を受け継ぎ、新しい創造的な芸術文化の形成、発展を担う人材を育成することを目的としています。 本学の卒業生には、学士(芸術)の学位を授与するものとし、卒業後は、それぞれの専門分野にしたがって作家活動、大学院への進学、公務員、教員及び関連企業等への就職など各自の修得した造形能力および文化的見識を社会の多方面の分野で発揮していくことが期待されます。 また、教員を希望する者は、教育職員免許法に定められた所定の単位を修得すれば、中学校教諭1種免許状(美術)と高等学校教諭1種免許状(美術、工芸)を取得することができます。 また、博物館学課程所定の単位を修得すれば、学芸員の資格を取得できます。

■ 陶芸コース
 陶芸コースは、沖縄独自の文化や地域性のみならず日本、中国、東南アジアなどへ向け、広く工芸の本質的な意義の認識と国際性豊かな人材の育成を期しています。
1年次 基礎表現力養成のための実習を行い、さらに陶芸の基本的な形成技術を学習します。
2年次 基本的な成形、加飾の訓練を積み重ね、陶土調整、釉薬原料の研究など、基礎的な学習を深めながら陶器の歴史的、文化的側面についても学習します。
3年次 焼成実習に重点をおきながら、より高度な形成技術・加飾技法を課題とし、比較焼成などさまざまな焼成技術を習得します。





卒業後 陶芸界にて活躍している卒業生のご紹介
                         (順不同)

                     参考資料 沖楽  ちゃんぷるー うるま
眞喜屋 修 作品



壱岐 幸二 作品



東恩納 美架 作品



冨山 進 作品



高江州 淳子 作品



金城 有美子 作品



赤嶺 学 作品



宮城 敦and 真弓 作品



小泊 良 作品



糸満 あかね 作品



増田 良平 作品