松藤

新春は良い酒で迎えたい、そう思って今年買った酒は写真の壷入り松藤。
松藤古酒は美味い事で有名ですが焼締壷に入るとなればその中でも更なる上物間違いなし、そんな訳で1月7日に開けるのを楽しみにしていたのですが、いざ紙箱を開けてみれば中の説明書には「今飲んでも美味しいのですが3年以上寝かせてから飲むと更に美味しい」などと書いてあって飲めなくなってしまいました。
そこまで言われたら今開けるのはバカ者のする事、三年後を楽しみに今年は未開封のまま箱に戻すことになりました。
長い年月寝かせれば旨味が増すと言われる琉球泡盛、寝かせる器もウィスキーやワインの様に樽ではなく焼締無釉薬の荒焼壷が最適と言われています、この辺が泡盛のルーツがベトナムのラオロンとか中国の白酒と言われる所以です。
写真の泡盛松藤に使われる陶器は沖縄の陶芸家ポールロリマーさんが作った物、沖縄には泡盛用の壷を作る作家が数名おりますがその中でも達人と感じるのがポールロリマーさん、ニュージーランド出身で備前で修行の後沖縄の人となりました。
泡盛用焼締壷一番の名手が外国人と言うところがウチナンチュー(沖縄の人)よ頑張らんとネー、と思う一方いかにも沖縄らしくて良いじゃないかとも感じます。
古から門戸を開いて外国の文化を積極的に吸収してきた琉球の考え方がこうした所に今でも出ているのです。
このてんに関して私は最近考えが固まりつつあって簡単に言ってしまうと沖縄の文化は「来る物拒まず、去る物追わず」の文化なのだと思うのです。
江戸幕府が頑なに三百年間鎖国を守り通した時期に琉球は大いに見聞を広め、様々な文化に根差したチャンプルーと言われる沖縄の個性が形成されて行くのです。



                            2011−1−13