廃藩置県がもたらしたもの

事実上の中央政府による植民地支配と言える廃藩置県がもたらしたものとは例えば下の写真が物語る様な事なのです。






上3枚の写真は琉球王朝時代の物


写真上は沖縄県時代 明治から大正時代の物

明治4年7月14日 事実上の植民地政策と言える廃藩置県によって琉球王朝は終焉、沖縄県が設置された。
琉球に関する歴史史料を読むと廃藩置県の時期の琉球士族や有識者の落胆ぶりは目を覆うほどで、まったくやる気のない投げやりな人々が続出したと書かれている。
無理もない五百年以上に渡り信じてきた価値観が一夜にして崩壊したのである、とても一世代や二世代で対応できるものではない。
今日、沖縄県民をさして適当だとか、だらしがないだとか言う人がいて、それが本当だとしたら(私は信じない)この時期に刷り込まれた敗北感と被害者意識の所産なのである。
琉球人の意識の低下は生産物の技術にもろに反映した、上の写真は陶磁器の例だが、王朝時代のものと明治大正の頃の物を比較して見てほしい、技術の低下と精神の緩さが如実に表れ始めている、これは陶磁器だけでなく漆器や織物総てに渡り、しかも現在に至るまで続いている、最近の工芸品には目を覆いたくなるような下手物も多いのである。
しかしこうした傾向にはっきりとした変化が表れ始めた、きっかけは首里城の再建と世界遺産登録の成功、国立琉球大学の拡大移転、県立芸大の設置にノーベル賞級の研究開発を目指した大学院構想などによるメンタリティーの向上である。
つくづく教育は地域を活性化させ人々を覚醒させると感じる、工芸の世界でははっきりとした成果が出始めていて芸大卒の新鋭作家の作品はどこに出しても恥ずかしくないレベルになった。
沖縄県はこれからだと実感できることは沖縄が第二の故郷である私たちにも誠に喜ばしい事である。
最後に沖縄県立芸大卒で注目の作家の作品をご覧ください。
(また やちむんの話でごめんなさいねー)

眞喜屋 修 作


安里貴美枝 作
                               2009−4−16