フィージャー

フィージャーとは沖縄の言葉で井戸のことである。
写真は金城町の石畳中ほどにある金城大樋川(カナグシクウフフィージャー)、嘗てはこんこんと水が湧いていたが上部の宅地化に伴い枯渇している、フィージャーは文字通り井戸端会議の場所で村の集会場でもあった。
私は学生時代にバリ島を旅したことがある、この際現地で親しくなった地元民の田舎を訪ねたことがあった。
バリ島の奥地で段々畑の見事な農村であった、ここで数日世話になったが案内された村の水汲み場と沖縄のフィージャーのなんとそっくりなことか、違いを見つけることの方が難しい。
そこは炊事の場であり洗濯場でもあり風呂場でもあった、やや下流は便所でもある、そして人々の集う憩いの場所であったことを思い出していた。
わたしは金城町のフィージャーに腰を下ろし子供が遊んでいる姿を飽きもせず眺めていた、強い日差しに朦朧として幾許の時間が経ったのだろう、そして確かに見たのだフィージャーに集う多くの村人たちを。












現在でも水の湧き出ている首里城内の瑞泉
                               2009−5−7