紅型 

最も沖縄らしい文物は紅型(びんがた)と言う事になるのでしょうか、解りやすいですし異論はありません。
サントリー美術館で行われた沖縄復帰40周年記念の催しも「琉球王朝の色と形 紅型」でした。
貿易国家琉球の文化は今日チャンプルーと言われる世界中の良い物を精力的に取り入れた混血文明が特徴と言われています。
その最たるものが紅型です、下の写真に見るように素人目にはインド更紗と区別がつきませんし、文様をつぶさに観察すれば大和文様を主に中国の文様が脇を固めます。
文様の題材である動植物の実際の色合いは完全に無視して(おそらく見た事が無いのでしょう)南国琉球の人々に気持良くリデザインされます。
つまり全体をデザインとしてとらえていてそこに本来見え隠れする学術的見地は無視しているのです。
色々な物や所の良い所を精力的に取り入れる事が琉球の生きる道!!
今も昔も変わらない沖縄の強(したた)かさがチャンプルーの正体です。
嘗て読んだ岡本太郎の琉球文化論は白眉でした、外来の物を喜んで取り入れるチャンプルー文化を岡本太郎は「ちゅらかーさー」の一言に集約しました。
天然痘によりできるかさぶたを「ちゅらかーさー」と呼ぶ沖縄の言語に驚嘆したのです。
死を与える外来の病気までも「ちゅらかーさー」(きれいなかさぶた)と呼ぶ琉球人に岡本太郎は究極のチャンプルーを見ました。




















                    2012−8-19