| 動物機械(アニマルマシーン)3 |
| レオナルド・ダ・ビンチが演じた役割の一つを見てみる。 レオナルドは異常に鋭敏な視力を持ち、彼の眼はまるで顕微鏡やカメラさながらの働きをした。彼は運動を文字どおり止めて見ることが出来たのである。そのようにして彼は鳥の飛行分析する事ができ、羽ばたく翼の原理に基いた飛行機械を作り出そうとした。動物と機械とを機能という点から分析する事によって、彼は外形の背後にある類似性を理解したのだ。彼は動物および人間の骨や筋肉の構造と働きの中に、機械装置にも応用可能な共通の機械的原理を認めたのである。人間、動物、機械、この三者は全てメカニズムとして表現できる以上、数学的方法によって説明可能だと彼は論じた。「機械は数理科学の楽園だ」と彼は述べる。さらに続けて言う、「鳥とはこのように数学的法則に従って動く装置のごときものであり・・・・・・それは作り出す人間の能力の範囲内にある。」 (この時すでに、飛行機の製作を技術的裏付けをもって予言したのか、たんなる鳥をもほうした模型によって夢を見たのか?) こうした希望をいだいて、レオナルドは動物の機能や形態の模型をたくさん作った。いずれにせよ、機械技術の芽生えにはかわりない。彼はまた、軍事用戦車を発明したが、それは彼の言うには「象に取って代わる」ものだった。貝殻に見られる螺旋の形態から、彼は空気スクリューの原理で動くヘリコプターを考案した。彼のノートには、他にも様々な機械、貨幣鋳造機、針研磨機、船の粱を屈曲させる装置、起重機、連動装置、温度計、距離計、傾斜計、風速計などのデザインが描かれている。こうした発明品やそれに続く「動物機械」の図が、ここでは最大の関心の的になる。レオナルドはすぐれた素描家であり、自分の機械的考案品を作製するために、分解組立図、回転図、透視図などを用いて三次元的に描いた。そのことによって彼は、科学的図解の新しい方法論を、今日ある姿に発展させた貢献者のひとりとなっている。 |