ワイパー

 8月の第一週、関東地方は度重なる雷雨にみまわれた。午後3時、外は夜の様に暗い。すさまじい量の雨が大地を洗う。私は塾に行っている娘を迎えに行く事にした。これでは帰ってこれないだろうと心配になったのである。デミオのワイパーは最高スピードで左右にブレードを振る。それでも前方視界は最悪である。水戸街道へ出るまでの途中、2トントラックがガードレールに衝突して身動きが取れなくなっていた。豪雨の中、最悪の交通渋滞。それ以上にトラック運転手の不運をあわれんだ。お花茶屋までの2km、30分程かかってしまった。塾の前についた時はホッとする。これでとりあえずは娘を不安にさせる事もあるまい。帰りは何時間かかってもかまわないのだから。午後4時塾終処の時間である。雨はますます激しさを増し、雷鳴は休みなく続く。ワイパーをフルスピードで動かし帰路についた。デミオのワイパーはボンネットを通して足元のアクセルまでその振動が伝わる。ワイパーの動きを足が感じるとはなかなか粋な車である。薄っぺらな鋼板の立て付けなのだろう。一年間にこの車と付き合うと様々な所にコストダウンの結果を見つける。(76万円の車です)デミオに関して言えば、コストダウンゆえの様々な問題も手抜きではない努力の賜物に思えてくる。このいさぎよさが好きだ。中身で勝負する人間はカッコイイ。同じ理由でデミオは今日本で一番カッコイイ車なんだと思っています。
※新型デミオはあまり好きになれないな〜。