東博東洋館に展示される李朝の陶磁器

中国は宋の時代の青磁や、元明の時代の染付の官窯に要求された完璧な品質と洗練され様式化、記号化された文様と形の陶磁器は製品として見た場合完璧ではあるが日本人の審美眼からは面白味に欠ける。
そのてん日本や朝鮮の陶磁器は文様や形に芸術性と温かみがあり親近感を持つものが多く高く評価されている。
この独特な審美眼は茶の湯の目に代表される日本独特のもので、世界広と言えども日本の数寄者のお眼鏡にかなう陶磁器を作れる国はこの両国に限る。
世界標準からは遠くても陶磁器を見る目は我が国が世界にかんたるところで、欧米の審美眼がこちらに追いついていないと胸を張るところだ。
さて東博の東洋館で公開されている李朝の陶器は名品の誉れ高い、17世紀前後に描かれた龍や魚の鉄絵などまるで子供が描いたようで完璧な景徳鎮とは比べようがないが、どちらが良いかと言われれば日本人は朝鮮の陶器の温かさを選んだのだ、世界に誇っていい文化だと思う。

















































日本で大切にされるヘタウマの代表選手、古染付は日本にのみ伝世し生産国とされる中国では陶片すら発見されない、ある学者は古染付は中国ではなく日本で作られたのではないかと仮説を立て本格的な研究調査に入っている。
古染付とは明末、日本では安土桃山時代から江戸初期に中国の南方系民窯で焼かれた染付磁器の事。
同時代の茶人の嗜好に合致して日本では非常に大切にされた一群で、心和むヘタウマ感は今見ても良い物です。

古染付



古染付

2016-7-2