田中時計店さんのお話
”古い腕時計を見せてもらっていた”
「これは終戦のすぐ後だから、スイス物でもあまりよくないよ。この頃は、並品、中級品、高級品、最高級品とあってね、これは並品。並品はたいてい密輸で入って来るの、中にはよい品もあったりするけれど、たいていは小さい会社の物だから良くないんだよね。
4〜5人の会社が沢山あるんですよ、スイスには。」
※1960年代まではスイスには星の数ほどの時計メーカーがあったのである。
「昭和40年になるとSEIKOの方が良いよ。最高級品は別にしてね。後はSEIKOの方がよほどいい。この頃は本当にSEIKOは良くなったよね。世界一ね。ゼンマイなんか良かったね」
※グループ内に、ゼンマイ製造工場まで持つ時計メーカーは、世界広しと言えどもセイコー位な物である。

”いつ頃の物が一番良かったですか?”
「いやもうクオーツの出た頃ね。機械の時計もこの頃の物が一番。最後の頃ね。」