田中時計店 3
 田中時計店とお付き合いをさせてもらって、古時計をコツコツと入手する機会に恵まれている。
実の所、いつネタがつきるのかと思っているのであるが、これがなかなかしぶとい。
店主は月2回程顔を出す私に合わせて、必要にネタを用意している。そして数ヶ月、今だに尽きる事が無い。有難い事である。
40年程前の置時計(目覚し時計)は骨董品としての価値はそれ程ある訳ではないのだが、それでも箱付新品を手に入れるチャンスはめったにないと思う。これが月1回用意されているのだから、なかなかおいしい。くわえて一律3千円なのである。私は運良く、リーズナブルに骨董趣味を満喫していると言って良いだろう。
 前にも書いたが、この時代の機械物はなかなか良く出来ていて、今の工業製品とは生立ちの違いを感じる。こうしたものが相対的にまだまだ高価で大切にされていた時代の物は、時計に限らず作りの良い物が多いのである。時代が浅い為、今は中古品扱いの物でも今後、価値が上がると思われる物がこの年代(1960〜1970年)に多い。
要チェックですぞ。
日本の製造業の中でも、カメラ製造、時計製造は、お家芸であると言っても良いだろう。さらに世界視野で見れば、日本においてこれら2つは御当地物なのである。クラッシクカメラコレクター及び古時計マニアは、出張先や旅先で、地元の質屋や商店を探索してはいかがだろう。あるいは燈台もと暗し、家の近くの商店を見て歩くと面白い物が発掘出来たりしますよ。 なんと言っても御当地です。田舎町の古道具屋やリサイクルショップの軒先に、キャノンやニコンやセイコーがゴロゴロしているなんて、おそらく日本ならではでしょう。
これらはいずれも世界の一流品。
エルメスやローレックス、ビィトンにばかりうつつを抜かしてないで、こうした名品にも少しは目を向けたいものです。