高田徳利

写真は俗に貧乏徳利とか通い徳利とか言われる岐阜県多治見市高田地区で生産されていた高田徳利です。
骨董に興味の無い方はいつ頃の物に見えるのでしょうか?
幕末とか明治時代の物に見えても不思議はないと思いますが、この徳利実は昭和16年の物です。
明治時代から続く通い徳利のうち、写真の物が昭和16年と特定できる理由は、昭和の時代になるとガラス瓶が普及し始め陶器の瓶は急速に市場を失い、対抗策として酒屋の名前入れサービスを行うようになったのが昭和からと言う事で、しかも陶器問屋である堀江商店の文書『高田徳利勘定帳』によると高田徳利最後の出荷は昭和16年で以後に徳利の出荷記録はないと言う事です。
したがって写真の徳利の形状と名前入れの状態から高田徳利最晩年の物と鑑定しました。
古そうに見えて実は新しい物って意外と多いんです。







               2016-11-25
下の写真は長男が最近ヤクオフで落札した織部の皿ですがこれもおそらくは昭和の物でしょう。
鉄絵の感じが現代人のものです。