染付山水図大皿

東京国立博物館に展示される染付山水図大皿。
有田の陶工、梶原菊三の作品です。
明治12年製作、大きさは高22.5口径121,2底径58,2で磁器皿としては最大級の物です。
このサイズになると製作が大変難しく変形、割れなどで採算が取れませんが、そんなことを度外視して有田の技術力を世界に見せたかったのでしょう。
銘文に大日本有田黒牟田村梶原菊三製とあります、この銘文から菊三最晩年の作と解ります。
黒牟田は有田の中でも大物を得意とした地域でウィーン万博では菊三の息子である友太郎が大皿を出品しました。
さて、大きい事は良い事だと言いたいところですが技術力の誇示ばかり眼について作品として親しめる要素に掛けます。
欧米列強に追いつけ追い越せで富国強兵を第一とした世相の、くどさと強さが一体となった時代の申し子です。



    2022ー7−8