龍の足


中華文明を代表するシンボルの一つが龍の文様ではないでしょうか。
龍の文字は殷王朝から存在するようですが、龍の意匠がラーメン丼などに見られる様な現在の私たちに馴染みの有る形になったのは漢王朝からだと言われています。
それ以降二千年の長きに渡り様々な場面で描かれ続ける龍、皇帝が寵愛する絵画から官窯の焼物などの緻密な龍から、庶民の雑器に見られる簡略化されコケティッシュな龍まで実に大量に描かれています。
そんな中でも最も簡素化されたのが写真の龍ではないでしょうか。
天空の雲間から足だけ覗かせた龍です。
古代の中国人は気象現象である積乱雲、雷、竜巻に龍の姿を見たとされ、それをそのまま意匠化したのでしょう。
碗は明末、粗製の青花です。









     2020-7-18