郎酒


中国の八大銘酒の一つ郎酒です。
郎酒は学生時代に中国からの留学生、張君に貰ってから忘れられないでいましたが最近ようやく日本でも入手可能となりました。
昔の物に比べ随分と垢抜けましたが少しやりすぎでは。
箱と瓶にかなりのコストをかけています、これリミテッドエディションではなくて定番商品なのです。
コストの掛かった壺、良し悪しはともかく、中国の価値観が色濃く反映しています。
日本の陶器鑑賞の楽しみ方は陶器そのものをリスペクトしています、土味や焼物ならではの釉薬の質感を大切にして、へうげた形も大地の自然の一部として珍重しています。
一方、中国の陶磁器は一種の錬金術と言えるでしょう。
漢代には青銅器を模した(ミメーシスした)緑釉、宋代には玉を模した青磁、明代清代には人工物の極致を体現して元が土塊である事など想像もできない事が尊ばれているように感じます。
写真の郎酒はまるで玉の様な地肌の瓶に樹脂製の注ぎ口でその境目が判りません。
大変高い焼き物の技術ですが、この商品で大切なことは中国的価値観の自信の現れでしょう。
酒の味は今のところデファクトスタンダードとは言えませんが、それは西洋文明が歴史が浅く未熟だからだと言わんばかりです。











     2020-8-15