ロシアカメラ
 前回のコラムでお話した様に中国製品の品質向上は目を見張る物があるのですが、それではかつての盟友、ロシア製品はどうでしょう。
これがはっきり言って相変らずなんです。相変らずレンズは良いんですがボディーはダメ。設計に進歩無しで完全に中国製に負けています。さすがは華僑の国、商売の上手さでは中国人の勝ちです。とくにウクライナ製カメラの品質は常軌を逸ています。まともに作動する個体を発見する事が、むずかしい程なのです。レンズは素晴らしいのに、残念です。1998年に製造された、新品が高輪のマックカメラで6千円で売られていました。久し振りに旧ソ連物に手を染めます。フェド5Bと言うライカコピー機です。元封を解き、中のビニールを破ると機械油の匂いが(臭いだな)漂います。
“西側諸国じゃ車のボンネットを開けたってこんなにキョーレツじゃないぜ!いったいなんの油使ってんだーオイ。オット、シツレイ最近じゃお宅も西側なんだっけ。”
まともな工業製品が造れなくなると国は滅びるんですね。単純で的を射た経済理論を体感します。これだけでも6千円の価値はあります。皆さんソ連が崩壊した理屈は知っています。しかしそれらは新聞か本を読んで人の言う事を受け入れた結果でしょう。しかしこのカメラを買えば、まさに実感出来るのです。実践の地勢学。
さあ、学生諸君、ロシアカメラを使って、グローバル経済のなんたるかを議論しようではないか。(私は今少し酔っています。)