ロボット

機械であるにもかかわらず、人間的な動きなので見ていて奇妙な感覚に襲われたのはホンダの二足歩行ロボットを見たときである。

開発者をして、その動きはあまりにも人間的で中に人が入っているのではないかと錯覚すると言っている。

 機械的な動きとは単純な動作の繰り返しを言う、我々は機械的であると言う事の定義を無意識に作り上げているのである。

機械時計が典型だろう、振り子やテンプの正確な反復運動が全てである。

単純な動きの繰り返し以外の柔軟な動きを見れば極めて動物的に映り、機械と生物の認識上の境界線が危うくなる。

この奇妙な感覚を最初に体験したのは世界初の内蔵型AF機ミノルタα7000である。(1985年)


ピントの山を検索する時の臨機応変 左右柔軟な動き、そして迷いと決定、そのつど違う動きをする、それまで目にした事がない、機械には見えない動物的な動きであった。

獲物を狙う肉食獣に例えればよいかもしれない。

機械とロボットの差である。

2005年愛知万博が実用ロボット技術の未来を謳い興味深いものがある。

ロボット技術が人類に貢献するのは、まだまだ先の様に錯覚するが、私の考えでは人類が最初に手にした市販の汎用ロボットはミノルタα7000という事になる。

(後世の歴史家は必ずそう言うに違いない)


かつて友人が愛用していて、その性能に腰を抜かした記憶がある。

最近 地域の友人、倉持氏から父上のお古を頂いて その思いを新たにしている。

やはりこのカメラは機械工学上 エポックメイキングである。

サ−ボモ−タ−と制御技術(コンピュ−タ−技術)の賜物で最近はこれにIT技術が融合更なる進化を遂げている。

α7000以後、全ての機械は車にしろ工作機械にしろ、これらの要素技術を取り入れ再設計されている。

例えば、レクサスやインクジェットプリンタ−、デジカメなど今日の代表的な Mede in JAPANを挙げる。

機械技術一辺倒の頃は良く出来たMede in JAPANも多かったが、工作精度 基礎技術でドイツ スイス アメリカ製に引けをとるものも多かった、しかしミノルタα7000登場以後は、つまりデジタル制御技術登場以後は、それ以前の業界地図ではなくなって来ていると言えるだろう。