ポリゴンミラー
レザープリンターのコア技術であるポリゴンミラー。
これらの製造をかつての(今でも)カメラメーカーキャノン。コパルの加工技術が支えている。 
モノ造り大国日本の一面が紹介された。

空気動圧軸受け技術
レーザープリンターの高速化を支える中核部品の「ポリゴンミラー」。プリンター内部に組み込んでレーザー光を反射し、感光ドラムに伝えるのに使う。鏡を回転させる方法によって三種類に分類できる。最も回転速度が速いのが「空気動圧軸受け方法」だ。レーザープリンターへの搭載率は10%程度だが、次代を担う技術と期待を集めている。
 回転鏡と軸の接触部分の摩擦を減らすためボールベアリングか油圧方法を使うポリゴンミラーが現在の主流。ボール方式は一分間に八千回転、油圧方法では同三万回転できる。
 両方式に変わる技術と目されてるのが空気動圧軸受け方式で、鏡を毎分五万回以上回転できる。余分な部品を使わない分、部材費も減らせる。ただし、高度な微細精密加工技術が必要になる。
 軸を限りなく真円に近づけた三角形の「おにぎり型」に加工、真円の穴を開けた回転鏡に差し込む。ほんのわずかな形状の違いからできるすき間に空気が入り込み、油などと同じ働きをする。摩擦が少ない分、高速回転が可能で油などの交換も不要だ。
 年間で十億円を売り、国内シェア二位の日本電産コパル電子は0.1マイクロ(マイクロは百万分の一)b単位の表面加工ができるのが強みだ。加工ノウハウを総結集した部品で、国内シェア一位のキャノンは同方式のポリゴンミラーを他社に外販していない。

日経産業新聞 2002,11,22

レーザープリンター 中国で部品拡販
日本電産コパル電子 増産に対応

日本電産コパル電子は中国で、レーザープリンターの中核部品の販売を拡大する。二〇〇三年三月までに二十万j(約二千四百万円)前後を投じて販売を設立。二年間で現地での年間売上高を五割拡大し、約十二億にするのが目標だ。顧客である日本や欧米の電機メーカーの現地生産拡大に対応する。
 拡販するのは、レーザープリンターに使う「ポリゴンレザースキャナー」。プリンター内部でレザー光をドラムに伝えるために使う。独自の微細加工技術で同社が強みを持つ、同スキャナー用の鏡だけの販売もする。
 新販社は、需要が拡大している広東省の深センしか東莞市に置く計画。現地企業一―二社とも新たに販売代理店契約を結び、売り込みを強化する。これまでは、昨年七月に上海市に設立した販売子会社が中心だった。
 同社は今年九月、中国・浙江省の平湖市に製造子会社を設立した。国内工場からポリゴンレーザースキャナーなどの生産を同工場に移し、二〇〇三年四月から供給を始める予定で、同工場からの直販も計画している。

日経産業新聞 2002,11,25