御屠蘇(おとそ)

正月の御屠蘇はこだわりの盃で頂きたい、毎年の登場は深川製磁の富士山蕨紋盃。
写真の盃は平成25年富士山の世界文化遺産登録の年の正月、深川製磁から発売されました。
蕨は春の芽生えの象徴、つまり子供たちの成長を表します、それを見守る富士は父性とか母性、あるいは大いなる意志の象徴だそうです、正月にふさわしい良い文様ですね。
正月発売のこの盃、毎年意匠を変えて販売されるのだそうで世界文化遺産登録記念ではなく明治27年から続いているとの事。
たまたま世界文化遺産登録の年に目につきました、登録されたのはその年の8月ですから良いタイミングでした。
ところで正月に御屠蘇を頂く習慣は我が国では平安時代から始まり今日まで続いていますが発祥の地である中国では唐の時代に始まり現在はすたれてしまったようです。
古美術歴史研究家の中国人教授が何かの本で中国では歴史書でしか確認できない屠蘇の習慣が日本ではいまだ健在であると大興奮していました。
教授によれば中国ではすたれてしまった習慣が日本ではいまだ健在というものが沢山有るそうです。
例えば抹茶を喫する習慣ですが元々は中国から伝わり今や日本でしか行われていません、中国も韓国も煎茶を喫しています、もっとも我々も普段は煎茶を飲みますけどね。






さて屠蘇ですが本来の物は我々が思う正月酒ではないようで漢方薬であった様です。
以下にウイキペディアより屠蘇を引用します。
「屠蘇」とは、「蘇」という悪鬼を屠(ほふ)るという説や、悪鬼を屠り魂を蘇生させるという説など、僅かに異なる解釈がいくつかある。数種の薬草を組み合わせた屠蘇散(とそさん)を赤酒・日本酒・みりんなどに浸して作る。
屠蘇は、通常、屠蘇器(とそき)と呼ばれる酒器揃えによって供される。屠蘇器は、屠蘇散と日本酒・味醂を入れる銚子(ちょうし)、屠蘇を注ぐ盃、重ねた盃をのせる盃台、これらを載せる盆からなる。屠蘇器には、漆器製、陶磁器製、ガラス製など様々な種類がある。
  
振る舞われるお屠蘇   屠蘇器     日本酒に溶け込んだ屠蘇散
   2015-1-8