岡田美術館 歌麿「深川の雪」


関東地方で梅雨入り宣言の有った日、静岡県箱根町は415mmの大雨に見舞われていました、私達は果敢にもその日、箱根町の岡田美術館を目指したのです。
大雨のせいで空いていてじっくり鑑賞出来るとの目論見です。
それ程までに一見の価値ありと意気込んだその目的は明治12年 栃木の豪商、善野家が定願寺の展覧会に出品した喜多川歌麿の肉筆画「雪 月 花」三部作の内の一つ「深川の雪」です。
66年ぶりの再発見となるこの作品は江戸時代の三代遊郭の一つ、深川遊郭を描いたもので他の2作品「吉原の花」「品川の月」はいずれもアメリカの美術館に収蔵され祖国では見る事が出来なくなっています。
一番の秀作と誉れ高い「深川の雪」が残った事は不幸中の幸いです。
ところでこの三作品、三部作と言うには大きさが違いすぎます、また製作時期も異なります、共通点としては誰が見ても歌麿の美人画スタイルであるにもかかわらず三作品共に落款が無い事でこれが大きな謎であるとは岡田美術館学芸員の話です。
またこの作品どうしてこれ程までに大きいのでしょうか(縦2m横3.5m)、掛け軸と言うには大きすぎます、それが魅力なのですが江戸時代の公共の集会場である神社仏閣以外では飾る事の出来ない大きさです。
美神と謎が一体となったこの作品、無上の感動と興味を喚起する必見の展示会です。
公開は6月30日 月曜日まで!御急ぎください!



 2014−6−11