にしん鉢

土曜会の親睦旅行で会津を訪れました。
昼食は会津郷土料理の名店渋川問屋です、思いの外美味しく名物のニシン料理が箸を進めます。
さて食事中に私が心を奪われるのはにしん料理もさることながらにしん鉢の方。
この美味しいにしんの漬物がどの様に料理されたかよりも、どんな鉢が使われたのかと言う訳です、骨董趣味も此処まで行けば病気みたいなものですね。
さてさて渋川問屋の美味しい料理と、にしん鉢のお話をいたしましょう。

渋川問屋

4月21日の雪です









食前酒・棒タラ煮・ニシンの山椒漬・こづゆ・ニシンの天ぷら・
ニシンの昆布巻・そば粒がゆ・季節の混ぜごはん・水菓子
          
                会津本郷焼 にしん鉢
会津本郷焼(あいづほんごうやき)とは、福島県会津美里町(旧会津本郷町)周辺を産地とする陶器及び陶磁器である。
1593年に領主である蒲生氏郷が薩摩国から瓦工を呼んで鶴ヶ城の屋根瓦を製造させたのが始まりである。17世紀中頃に藩主の保科正之の求めに応じて瀬戸から陶工・水野源左衛門が呼ばれて本格的に焼き物の基礎を築いた。1800年には有田や京都で学んだ佐藤伊兵衛が磁器の製法を伝え現在の会津本郷焼の原型が完成する。現在は窯元17と東北2位の規模を誇る、1993年には通商産業省から伝統的工芸品産地として指定される。
会津本郷焼で使われる釉薬に「飴釉」がある。飴釉は文字通り飴色で光沢を持っている。この飴釉を使った代表的な陶器が「鰊鉢」で古くからニシンの山椒漬けに使われてきた。 ウィキペディア

民芸陶器 覚書 伊藤安兵衛著  昭和38年7月5日
にしん鉢はにしんを漬ける器です。海から遠く離れた会津では新鮮な魚が得られないので干した魚を料理する工夫がこらされました。にしんを塩と酢とを混ぜながら鉢の中に敷き山椒の葉をのせ更ににしんを並べます。味わえばなかなかの珍味で特色ある郷土料理と言えましょう。にしん鉢は陶土を板にして四角の箱に貼り付けるのですが、主に夫人の仕事となっています。釉薬は白釉と飴釉とがありますが、この白釉の上に緑釉を流したり、飴釉の上になまこ釉を流したりして景色を添えます。いづれも無造作な流し方で美しく、また白釉共釉が濃いのでたっぷりとした温かみのある味わいも他に類が少ない物です。どの陶器をとっても形が良く荒削りですが骨っぽい強さを持っています。民窯中での手堅い仕事と言えましょう。
      2013−4−23