携帯端末用カメラ部品 供給増えず高止まり |
携帯電話機に搭載するカメラ部品の大口取引価格が高止まり
している。今秋からカメラ搭載機種が急増するのに対し、供給が
追いつかないためだ。携帯電話機用カメラ部品はデジタルスチルカメラ
向けに比べて小型・省電力が求められ、歩留まりが低いことも品薄に
拍車をかけている。品薄状態が解消するのは来年1-3月期以降との
見方が多い。
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「必要量を調達できなければ、高く買うのもやむを得ない」--。
ある携帯電話機メーカーの調達担当者は価格より量の確保が
優先だと悟る。
三洋電機、シャープなどカメラ部品メーカーは、松下通信工業や
NECなど携帯端末メーカー各社に対し、2003年1-3月期の大口
取引価格についてCCD(電荷結合素子)センサーモジュールが
30マン画素級で1個当たり3千円程度、CMOS(相補性金属酸化膜
半導体)モジュールが同2千円程度を提示。2002年10-12月期比
横ばい水準で価格交渉が進んでいる。
現在もっとも多く市中に流通しているデジカメ用の主力、
2百万画素級のCCDセンサーモジュールの大口取引価格は1個当たり
千円を割り込んでいる水準だ。デジカメ用に比べると、携帯電話用
カメラ部品の取引価格は割高に思える。
携帯電話機市場でカメラ部品が高値で取引されるのは、市場の
急成長に供給が追いつかないことが大きい。ハイテク調査会社などの
予測によると、カメラ付き携帯電話機の需要は2001年には400万台強
だったのが2002年には1,900万台前後になる見込みだ。2003年には
さらに約3,300万台に急増するとされ、2002年で2,300万台とされる
デジカメ市場を上回る最大のカメラ市場に成長する。
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携帯電話市場では当初、省電力のCMOSが主流になるとの予測が
専らだった。このことが、CCDメーカー大手のソニー、松下電器産業、
シャープの小型CCD開発が出遅れてしまい、供給が伸びない一因と
なっている。
”CCD御三家”といわれる3社は、デジカメやビデオカメラ市場では
圧倒的なシェアを持つが、携帯電話が先行している。
同社は独自の製法で、携帯電話機搭載できる小型CCDを開発。
今年から急速に市場での存在感を増している。ただ、同社は良品率が
低いことが課題で、製造技術を高めない限り、需要を満たせないのが
実情だ。
一方、CMOSは富士通、松下電産など半導体各社が品ぞろえする。
CMOSはCCDより少ない電力で動作するのが強みで、品質面でも
CCDに大きく劣るわけではないが、需要家メーカー側の受けは
いまひとつ。デジカメで使うCCDの方が消費者になじみが深いといい、
国内では、「中期的にはCCDを補完する存在になる」(半導体メーカー)
との声が多い。
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また、デジカメ向けより小型にしなければいけない分、歩留まりが
低くなることも供給量が増えない一因だ。現在、主流の30万画素級より
高画素の130万画素級の開発もカメラ部品メーカー各社は
取り組んでいるが、「良品率はさらに落ちる懸念がある」(半導体メーカー)
という。高画素化が急に進むと、カメラ部品の供給の伸びを抑える
懸念がある。
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