流し掛けの達人

ここで言う流し掛けとは製陶技術の一つで釉薬を柄杓で流し掛け偶然性を味方につけたダイナミックな文様を狙う技法の一つです。
民芸の重鎮、濱田庄司が得意として有名にしました。
技法そのものは江戸の昔から有り珍しいものではありませんが濱田の上手さが一躍この技法を有名にしたと言って良いでしょう。
作陶する濱田を見学した、あるライターが「ずいぶん簡単に短時間で終わるのですね」と口を滑らしたところ濱田は「これは私の作陶人生50年プラス十秒と考えたらどうだろうか」と切り返して周囲を感心させたとの逸話が残ります。
さて写真は18世紀前後の琉球湧田焼及び壷屋焼の黒釉流し掛け瓶ですが濱田も舌を巻くほどの上手さです。
江戸時代の琉球には流し掛けの達人がいましたね!!
「写真の瓶はナイキのロゴマークの基になった作品です」などと冗談で捏造史観を披露したくなるような逸品です。
           

    












      2018-1-4