道草 1  川甚

親類の法事で10年ぶりに川甚を訪れた。
法事に対して道草とはいささか失礼な言い回しだが、真意は人生における道草とは一服の清涼剤の様なもので法事の縁でも美味しい物との出会いは感性の彩で有ると言いたいのである。
「葛飾は柴又、江戸川のほとりよ」とは寅さんの言い回しだがここ川甚が正にこの通り、江戸川の川魚を提供する江戸時代から続く名店でうなぎのかば焼き鯉こくが有名である。
私は鯉こくが大好きで色々なところで食したが川甚が一番肌に合う、だから今回の法事は面倒くさくなかったし御世話になった故人に生前の恩義も含めて素直に頭を下げる事が出来た。
ところで川甚で使われる箸置きがあまりに可愛くて帰り際レジで買い求めてしまった。
「法事で箸置きを買う人もめずらしい」と娘に笑われた。









      2011−11−3