明治という夢

平成26年6月24日から9月7日まで足立区立郷土博物館で「明治という夢」と題した展示会が行われました。
今年8月のエッセイ「
清水三年坂美術館」で明治時代の超絶技巧に触れ開国を迎えた当時の日本が欧米列強と伍する為に病的なまでのストイックな頑張りが有り、そうした事象が当時の輸出用美術工芸品に顕著である御話をしました。
またこうした状況が富国強兵思想につながり我が国を太平洋戦争へと導いた事を述べました。
そんな明治時代を振り返る素晴らしい展示会で明治時代が近代化と共に戦争の世紀で有った事が良く解ります。
展示されていた物の中に本物のZ旗がありました、初め見る感慨深いものです。
そこには御爺ちゃん達の必死の戦いが有りました。






Z旗 ↓









   2014−12−26


清水三年坂美術館のエッセイに上書きしました
 

三年坂に来たら訪問をお薦めしたいのが清水三年坂美術館。
幕末、明治の七宝、金工、蒔絵、京薩摩を専門として、この時代の超絶技巧を楽しむ事が出来る日本で初めての美術館です。
最近の古美術界は幕末、明治の超絶技巧を再評価する機運が有り今後の動向を感じる上でも為になります。

明治と言う時代は開国を迎えて「世界に打って出たい、世界に認められたい」と言う機運が病的なまでに増幅された時代であるとも言えます。
そうした思想が富国強兵につながり太平洋戦争と言う国難に導くのですが一方で明治時代のエネルギーのすさまじさにはある種の畏敬の念すら覚えます。
当時の輸出産業の中において美術工芸品の割合は三割にも達し外貨獲得の大きな産業でした、その結果として東京美術学校、現在の東京芸術大学が設立されています。
つまり東京芸術大学は輸出産業を担う有能な技術者の育成が当初の目的であり、世界に通用する芸術家の育成などと言うのもではなかったように感じます。
いずれにせよ明治期の工芸家のストイックで病的なまでの頑張りは超絶技巧と言う形で現在に残され今日の私達に驚愕と感動を与えてくれます。













   2014−8−31