明治~昭和初期の今戸焼土人形

古い今戸焼人形を研究するコレクター宅にお邪魔しました。
氏は江戸時代の物も数多くお持ちですが現在は資料の編纂中の為拝見できませんでした、それでも写真の明治から昭和初期の今戸焼の名品に触れ眼福の思いです。
今戸焼は現在の台東区今戸の地に興った江戸時代からの焼き物ですがその開闢は諸説あり確定的ではありません。
今戸焼土人形は幕末から明治にかけて大いに流行り隆盛を極めた時期もあったようです。
現在の人は土人形と言われると民芸土産的な飾り物を想像しますが本来は子供たちのおもちゃと考える事が妥当です。
したがって今戸焼土人形は明治時代の後半に登場するブリキのおもちゃやセルロイドのおもちゃに押されその役割を終えてゆくことになりました。
壊れやすい土人形はその昔、壊れることで子供の疳の虫の根が切れると喜ばれていたものが、ブリキやセルロイドの時代になると壊れやすい安物の地位に甘んじることになったのです。
また致命的だったのは釉を施した土人形に含まれる鉛などの有害物質が社会問題となる時世を向え政府により子供用おもちゃの土人形が禁止された事です。
これ以降今戸焼は植木鉢や素焼きのかわらけ、ほうろく等が主力生産物となり平成の世まで続く事になります。
関東大震災以降は台東区から葛飾区や足立区に陶工が移り住み今戸焼の伝統を受け継ぐ最後の陶工、葛飾今戸焼の内山氏が平成25年まで作陶を続けました。





























   2016-7-30