Made in Germany
 安物の目覚まし時計(1,000円位)が壊れた。
 シチズンの小会社であるCBM製だ。組立を中国で行った主旨がボディーに刻まれている物である。捨てる前に分解してみようと思い立った。ネジを3本外すだけで簡単に裏ブタがはずれる。小さなモジュールが現れた。
No(0)JEWELS Germay
独製であった。驚いた。
我々クラシックカメラコレクターは、独製に対して特別な思いがある。ライツ、ツアイス、ダイムラーシーメンス、
ユンハンスetc・・・独製は、どれも神器なのだ。しかし、現実はどうであろうか。
 考えてみれば、ドイツだって色々な物を作っている。今日私の目の前に現れた時計のモジュールも、また、独製である。独製は、全てが神話に色どられている訳ではない。安物で、たいしたこともない物だって、数多く作っている。カメラも前記のような一流メーカー、一流品ばかりではなく、無名に近い普及機の方がはるかに多いことをついつい忘れがちである。それでも、カメラマニアは、独製を特別な目で見る。それが楽しいのだから仕方がない。
 この時計にしても、組立が悪かったのであり、モジュールそのものは、百年位もつに決まっている。そう、我々の頭の中では、そういう事になっているのだ。モジュールだけでも飾っておこうかと考えた。頭の中の理性が笑っている。私はしゃくにさわって捨ててしまった。