古九谷

金沢へ来たなら古九谷の名品が揃う石川県立美術館へは是非とも訪れたいところです。
県立美術館のエントランスを入ると幾つかのブースに分かれていてブースごとの料金設定は見学者に優しい配慮です。
私の様に興味の対象とツアーの都合で時間に制約のある人間には現代作家の絵画等を見る余裕はなく古九谷のみの拝観で十分なのです。
古九谷のブースでまず目にするのは国宝の仁清作雉香炉です、この二つの為に一部屋を使う丁寧ぶりで古九谷では有りませんが石川県の御宝ナンバーワンの様相でした。
隣の部屋に待望の古九谷大皿の展示がありその質と量に感動しました。
古九谷は大聖寺産か有田産かで産地論争がありますが見る限り何系統かある様で、それぞれに産地が異なると言う考え方は出来ないものかと思いました。
ひとくくりに古九谷と言いますが実際には幾つかの場所で造られた違う系統の焼き物だと言う事です。
さてミュージアムショップで良い土産を発見しました、有名な色絵鳳凰図平鉢の摸古です。
ミュージアムグッズは意外にもチープな作りの物が多いのですが、これは本物と見紛うばかりの出来です、贋作になる事を防ぐためにあえて大きさを変えてあるところは県立美術館の炯眼(けいがん)です。
私は美術館巡りが趣味みたいな者ですからミュージアムグッズは必然的に集まりますが今回の物は逸品です、なにしろ古九谷の色彩を再現する為にあえて昔の鉛入り釉薬を再現して使っている為に実際の食事には使えないのですから。
ここまでして古九谷の美しさを伝えようとした石川県立美術館に脱帽です。





仁清作雉香炉

上は石川県立美術館所有の物ではありませんが、古九谷の先進性が良く解る作例

色絵鳳凰図平鉢の摸古

   2015-4-29