国産カメラ VS ライカ
 1970年代の国産カメラ ニコンF2とキャノンF1の中古相場が高くなって来ている。中古の時期を過ぎて、コレクションアイテムとなりつつあるのだろう。実際にこの2台は、中古カメラ店で手に取る機会が多い。不調である事がほとんどない上、使い込まれている物の方が調子が良い位である。やはり、この2台は特別なカメラであると認めざるをえない。同じ時代の中古ライカの方が、調子が良いものと悪いものとでバラついている。ライカは頑丈なカメラの代名詞であるが、実際には多少意味が異なる。ライカは定期的なメンテナンスが必要なのである。その点国産2種は、耐久性においてはライカ以上である。それではライカは壊れやすいのかと言うと、もちろんそんな事はない。まず普通に使っている分には絶対に壊れることはない。精度にバラツキが出ても、メンテナンスの容易なカメラだから、半永久的に長持ちする。一方キャノンF−1は、ある日突然壊れる。モータードライブでの連写中、突然まったく動かなくなった。内部のどこかで歯車と歯車がひっかかり、なにかにガツンと当った様な衝撃とともに、あとはまったく動かない。千回に一回、あるいは1万回に一回有るか無いかの事であるかも知れないが、いずれにせよ、にっちもさっちも行かない状態であった。
「ライカは少しづつ老化して行くのに対して、ニコン、キャノンは事故死する」
日本とドイツの国民性の違いであろうか。
以上の3台は、壊れたところで病院にかつぎ込めば間違いなく一命を取りとめる。しかし、ライカが予め体調不良を使用者に伝えるのに対して、ニコンとキャノンは最後のその時まで気丈である。機械としてどちらが良いかは考え方であるが、予防医療を徹底した方が長寿である事は、人も機械も同じ事だろう。病院へ行く回数は、ライカの方がニコン、キャノンより多そうだが、これを繰り返せばライカは永遠である。