国産 漆

英和辞典でChinaと引けば中華人民共和国以外に陶磁器の意味が有る事を知ります、同じくJapanと引けば日本国の他に漆器の意味が有る事を知ります。
ことほど左様に日本製の漆製品は古から世界的に高く評価されてきました。
しかし現状はどうでしょうか、昭和30年代から本格的に普及し始めた合成樹脂製品に押され産業構造は壊滅状態、超高級品のみが注目され今や一般家庭で漆器が使われる事はほとんど無いと言って良い状態です。
特に国産生漆の生産は終わっていると言って差し支えないような状況で現在日本で使用される生漆の内、国産が占める割合は僅かに1%強、1400Kgで漆掻きに就く者は25名(大半が兼業)だそうです。
ちなみに1400Kgという数字は味噌汁椀にして三千個余りの量、小さな一つの工房の年間生産量分でしかありません。
美術工芸関係の書籍でさかんに「失われつつある伝統産業」と問題定義されるこの業界が再び脚光を浴びる日は来るのでしょうか。
昨年銀座松屋で行われていた国産漆の漆器展を紹介します。
完成された形と日本的な優しい美しい色、絶対に失ってはならない日本の文化です。









 2014−3−8