広東碗

「こんなもの骨董の内に入らない」なんて言う人がいます、下手物すぎて鑑賞の範疇に入らないと言う事ですがごもっともな話。
しかし今や大人気の蕎麦猪口だってほんの二十年前位までは雑に扱われていたのだから、こいつらの将来性だってわかりません。
写真は中国は南方の民窯で焼かれ広東碗と称して世界中に輸出されていた物。
清代中国の重要な輸出品であったようです、日本の城跡からも大量に出土する珍しくもなんともない碗です。
でも徳川さんが使ったかもしれない時代の物が骨董市で五千円なら「骨董とは」とうんぬんする以前に純粋に楽しめると思いませんか。
この碗、量産品ですから重ね焼きされて見込みに蛇の目と言われる無釉薬の部分が残る物が多いのですが写真は見込みもしっかり釉薬が掛かっており積み重ねられた一番上の物と思われます。
数十枚に一つの割合ですから下手物の中のレア物かな。







   2016-2-27