祇園 うゑだ

京料理の話をもう一つ。
京都での3年間、息子が文化サークルを通してお世話になった松田氏の御好意で祇園の料理処うゑだでの会食です。
うゑだでのひと時はまさに京料理の神髄に触れる思い。
あくまで素材の味を楽しむ、それ以上の事は望むべくもない、自然と一体の心は禅に通じ侘び寂びに到る。
店主は利休と同じ方向を向いて楽吉左衛門と同じ苦悩を体現する。
備前焼を愛でる心がそのままうゑだの料理だ。
さかなは焼いただけで少量の塩と共に酒の肴になる、昆布出汁におそらく数滴の醤油で大根と青物を食する、そこには大根の味しかない、しかし大根の味はしっかり解るのである。
気が向けば少量の米酢で変化を付けるのもよし、ただし米酢は千鳥以外は使わない。







おふの甘味噌和え 美味しいですよ、おふがこんなに美味しく変身するとは

粕汁は京料理の定番だ

旬のくわいを炭焼きに  火だすきの備前に煤竹の箸が泣かせる

酒を得て色付く備前の器

米酢 加茂千鳥

米酢の手塩皿は楽焼か



自慢のたくわん

赤味噌汁は絶品!!

店主の上田氏、友人の松田氏と共に



うゑだから京阪四条駅までのそぞろ歩き 途中有名なお稲荷さんが有ります

あえてノンフラッシュ



さて町の定食屋で京料理を注文すればてんぷら定食も御覧の通り ↑
それでも天つゆと赤だし味噌汁に京料理の個性が光ります、美味しいです。


さて同じ京料理でもミシュラン二つ星が造ると下の様に変化します。↓
店主の要望で店名は明かせませんが、此処の料理は全てが完璧に調理されて美しくもちろん美味しい、外国人でも解る解りやすさがミシュランの真骨頂と言えます。
八寸など十五種類以上の料理が並ぶ訳ですが全てが完璧に調理されて本当に美味しい、全てに一味の工夫と個性がさりげなく混在します、店主の才能は計り知れないものです。
ここの料理は、うゑだに対して滋味(うまいあじわい)に勝っています、しかし地味(質素で落ち着いている事、更に土地の味の意味も付け加えます)には劣ります。

京料理もミシュラン二つ星でこの様に変化してまいります ↑↓



織部の器にクラッシュアイス、その上にヒラメの刺身

八寸

濃厚な粕汁



      2013-2-26