ELECTRIC MICROSCOPE
豆電球で対像物を照らす事の出来る拡大鏡である。
現在でもよく見掛ける工業製品だが、これは1950年頃の製品である。再生紙を使った昔なつかしい箱が目に付いて購入した。
新橋のウツキカメラ店で100円ナリ。
製品銘をPrinceと言う。
もしかしたら同時期にプリンス、フレックスと言う二眼レフカメラを作っていたメーカーの物かもしれない。
ロゴが良く似ているのである。
製品のテイストも同年代の二眼レフに付属する。ファインダーの拡大鏡そのものである。
外貨獲得の為、なんでも輸入した当時の日本企業。
この製品もそれらの一環だろう。
ちょうど今の中国みたいな国だったのである。
なん度もエッセイで書いていますが、私はこの頃の日本が大好きです。
一生懸命が伝わって来ます。
そしてこの頃のガムシャラな物造りが今日の経済国日本の礎えとなったのです。
乾電池を入れてみます。
ほんのり赤色をおびて点燈しました。
この機械には50数年振りの仕事でしょう。
おそらくは今は亡き工場の検査系が行なって以来です。


接眼部に目をやり中を覗きます。
ダイダイ色の世界、あの頃の夕日の色。
言い知れぬ懐かしさを伴なって、昭和20年代の光が見えました。