デットストック泡盛


私はデットストックの泡盛を掘り出す名人です。
下町の古びた酒屋に人知れず眠る往年の銘酒を(スリーパー)世に出してあげます、乞われれば御譲りするし、仲間と立ち上げている泡盛を汲む会の目玉になることもあります。
日本の焼酎は二段仕込みですが、焼酎のルーツ泡盛は一段仕込みの贅沢かつ古典的な製法で、この為か瓶詰めされた後でも熟成し旨味成分が増す世界的に見ても稀有な蒸留酒、これの古酒ともなればその価値は計り知れません。
今回は墨田区で発見した「ひとときのちゅら」が目玉です、15年前に瓶詰めされた泡盛で旨味成分の脂肪酸がコバルトブルーの結晶となって浮遊しています。
沖縄の風土と悠久の時に磨かれたコバルトブルーの妖精はどの様な世界を私たちに見せてくれるのでしょうか。

     2019-3-18