大千住


江戸時代最も賑わい、最も大きな宿は千住宿でした。
陸奥の物産を扱う大棚が軒を連ね、羽振りの良い旦那衆も多く輩出しました。
旦那衆は多くの芸術家のパトロンとなり大千住琳派と分類したくなる様な芸術作品を多く残しています。
谷文晁、酒井芳一、鈴木箕一など当代きっての芸術家が千住に居を構えました。
明治を迎えて河鍋暁斎、横山大観、岡倉天心なども千住の名士と親交を持ったようです。
こうした幕末明治千住琳派の展覧会が足立区立郷土博物館で行われています。
早速拝見しましたが郷土に育まれた多くの作品群に感動しました。
琳派絵はどうしても江戸時代初期の巨匠である俵屋宗達や尾形光琳と比較してしまいますが、これはいささか酷な話で幕末の千住琳派は違った価値観で拝見すべきものだと思います。
そして多くの展示物の中、私が一番に感動したのが岡倉天心の書簡です。
ただの手紙でありながら、その書体に大変な芸術性を感じ今更ながらこの人はただ者ではないと確認しました。



岡倉天心の書簡










酒井抱一↑



装丁されないまま旧家に眠る日本画の数々↑



幕末千住琳派↑

河鍋暁斎の有名な御題↑

     2018-12-10