シリンダーヘッド
 1985年に我家に初のVTRをむかえて今年で早16年。その間世代交代を繰返して、今使用している物は10代目でしょうか。最初の頃は、日立、シャープ、ビクターなどの一流所でしたが、最近はフナイ、サムソンなど普及品使いで、価格はお値打ちの9800円てなところです。
 私は壊れたVTRは分解してシリンダーヘッドだけ残してあるのですが、これを年代順に並べるとなかなか面白い事を最近発見しました。初期の物は真鍮製で重厚長大。(少しオーバーですね)最近の物はステンレス製でコンパクトです。日本の物と韓国の物とを比較してみると、日本製の工作技術に一日の長が有る事がよく解ります。韓国の物は最終仕上げに手作業の余地を数多く残しており、日本の物の様に工作機械まかせと言う訳にはいかない様です。本来コスト高になるはずの要因ですが、それでも日本製の物に比べてはるかに安いのですから薄利多売と言えるでしょう。中国製品もおそらく似た様な産業構造で日本に挑んでいるのに違いありません。かなりの手の込んだ物を人海戦術で大量に作りコスト競争力に結び付けるのです。
 100円ショップで売っている中国製電卓、御覧になった事ありますか?テンキーがすべて樹脂製で一つ一つ指定の場所にハメ込んでいるのですよ。(日本製で低価格の物はゴムの一体製形品に数字と記号を印刷するだけです。)たった100円の物でもこの調子で手が込んでいるのです。しかも数千万個も作るのですから気の遠くなる様な作業です。考えさせられてしまう話でしょう。もう日本は今までと同じ物を作っていたのではダメなのはハッキリして来ますよね。
 いつまでも中国元が固定相場なわけがなく、人件費の高騰も時間の問題でしょう、と言う他力本願もありますが、中国の場合はまだまだ先の話と大学の先生達は言っています。
PS. 100円で売られているデジタル腕時計の機械を見て下さい。ほとんど手作りですよ。カシオ製の物の方が自動化(無人化)されたラインで作られている様です。