カシオのデジタル時計
 マレーシアで製造されるカシオ社製デジタル腕時計の一つWI31の電池を交換しようとした。最近液晶表示の数字が薄くなり読みにくくなっていた。これは電池の寿命が近い事を示している。気の向いた日曜日に裏ブタを開けてみる。用意しておいたボタン電池を入れ替えてすぐに終わる作業のはずであった。
 私は時計の電池は自分で入れ替える主義で大半の物に対応できる。それなりの工具もそろえているのである。プロフェッショナルと言う訳ではないが、素人なりに手なれているつもりである。しかし今回のWI31にはまいった。このモジュールは基本的に電池を交換してまで使用する様には作られていないらしい。事実上使い捨てモジュールに見える。電池は完全に他の電子部品と一体化しておりバラせば元に戻すのは不可能に思えた。完全に自動化された大量生産ラインで機械の手によって作られる物で、なまじ人間が精密ドライバー片手に分解すれば、やっかいな事になる。
 最先端の加工技術は時として人手を拒絶する世界なのである。私はカシオの社員ではないから、確信を持っては言わないが、この腕時計の電池交換をカシオのサービスセンターに依頼すればおそらくモジュールごと交換されて戻って来るのだろう。